初期懐徳堂を描いた「大坂学校之図」。下部に「天明二年(1782)十一月二十三日桑名克一書」の記載がある。欄外に「街 今橋筋尼崎町壹丁目、地 東西十一間四尺五寸、南北二十間」「此図也以鐵尺二寸當一畝」の注記。敷地北側に「道明寺屋醤油倉」が確認できる。これは、懐徳堂の敷地を提供したのが五同志の一人道明寺屋であったことによる。 二階部分は屏風第三面中段左に貼り付けられており、二階全体について「中井二階之図」と注記されている。つまり、二階は、懐徳堂学主中井家の私的空間であったことを示す。